Japanische Klassiker mit Furigana
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おんりょうしゃくよう
怨霊借用
泉 鏡花
Lesen Sie 怨霊借用 (おんりょうしゃくよう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.803 Zeichen · 38 Bildschirme
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風に乗って、飛んで、宙へ消えた幽霊のあと始末は、半助が赤鬼の形相のままで、蝙蝠を吹かしながら、射的店へ話をつけた。此奴は褌にするため、野良猫の三毛を退治て、二月越内証で、もの置で皮を乾したそうである。
笑話の翌朝は、引続き快晴した。近山裏の谷間には、初茸の残り、乾びた占地茸もまだあるだろう、山へ行く浴客も少くなかった。
お桂さんたちも、そぞろ歩行きした。掛稲に嫁菜の花、大根畑に霜の濡色も暖い。
畑中の坂の中途から、巨刹の峰におわす大観音に詣でる広い道が、松の中を上りになる山懐を高く蜒って、枯草葉の径が細く分れて、立札の道しるべ。歓喜天御堂、と指して、……福徳を授け給う……と記してある。
「福徳って、お金ばかりじゃありませんわ。」
欣七郎は朝飯前の道がものういと言うのに、ちょいと軽い小競合があったあとで、参詣の間を一人待つ事になった。
「ここを、……わきへ去っては可厭ですよ……一人ですから。」
お桂さんは勢よく乾いた草を分けて攀じ上った。欣七郎の目に、その姿が雑樹に隠れた時、夫人の前には再びやや急な石段が顕われた。軽く喘いで、それを上ると、小高い皿地の中窪みに、垣も、折戸もない、破屋が一軒あった。