Japanische Klassiker mit Furigana
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おんりょうしゃくよう
怨霊借用
泉 鏡花
Lesen Sie 怨霊借用 (おんりょうしゃくよう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.803 Zeichen · 38 Bildschirme
――へい、いえ、いえそのままでお宜しゅう……はい。
そうした貴方様、勉強家でござりました癖に、さて、これが療治に掛りますと、希代にのべつ、坐睡をするでござります。古来、姑の目ざといのと、按摩の坐睡は、遠島ものだといたしたくらいなもので。」
とぱちぱちぱちと指を弾いて、
「わしども覚えがござります。修業中小僧のうちは、またその睡い事が、大蛇を枕でござりますて。けれども小一のははげしいので……お客様の肩へつかまりますと、――すぐに、そのこくりこくり。……まず、そのために生命を果しましたような次第でござりますが。」
「何かい、歩きながら、川へ落こちでもしたのかい。」
「いえ、それは、身投で。」
「ああ、そうだ、――こっちが坐睡をしやしないか。じゃ、客から叱言が出て、親方……その師匠にでも叱られたためなんだな。」
「……不断の事で……師匠も更めて叱言を云うがものはござりません。それに、晩も夜中も、坐睡ってばかりいると申すでもござりませんでな。」
「そりゃそうだろう――朝から坐睡っているんでは、半分死んでいるのも同じだ。」
と欣七郎は笑って言った。
「春秋の潮時でもござりましょうか。