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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやしのもの

怪しの者

国枝 史郎

Lesen Sie 怪しの者 (あやしのもの) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.259 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

つまり私は乞食に身をして隠密をしているのでございます。庄内川の岸に寝ていたのも、持田家の周囲を立ち廻ったのも、そのためなので。それにしてもどうして露路へ逃げ込んだ私が、そんな家で、お柳と、取膳で、酒など飲んでいたのかと申しますに、私は、露路へ逃げ込むや、その家――それは私の隠れ家なのですが、その家の前のしもた家の蔭に隠れて、お柳と西条様との会話を聞いていたのでしたが、西条様が立ち去るやすぐに私は、自分の家の裏口から台所へはいって行き、持田家の秘密を探らせるために、持田家へ、女中として入り込ませておいたお柳が、持田家の秘密を持って、この夜来合わせていたのに手伝わせ、乞食の衣裳を脱ぎ、行水を使い、茶の間で、そんなように、取膳で……と、いうことになったのでありまして、さてそれからは、私とお柳との会話になるのでございます。――

「今夜は泊まって行ってもいいのだろう」これは私で。

「というわけにもいかないのさ。……何しろお嬢様があんなだからねえ」

「惚れるのに事を欠いて、あんな野郎に惚れるとはなア」

「鶴吉と宣っているあの江戸者、女にかけちゃア凄いものさ」

「そこへもって来てお小夜坊が、初心の生娘ときているのだからなあ」