Japanische Klassiker mit Furigana
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あやしのもの
怪しの者
国枝 史郎
Lesen Sie 怪しの者 (あやしのもの) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.259 Zeichen · 25 Bildschirme
「ところで職場の仕事だが、どうだな、はかどっているようかな」
「それだけは妾にもわからないのさ。こしらえた端から化け物屋敷の方へ、こっそり運んで行くのだからねえ」
「そういうことは鶴吉って男も、とうに知っているだろうに、化け物屋敷を調べないとは、どうにも俺には腑におちないよ」
「これから調べるのかもしれないじゃアないか」
「そうよなア、そうかもしれない……駆け落ちの前にか、駆け落ちの夜にかな」
私は背後の地袋を開け、木箱を取り出し、その中から太い竹の筒を取り出しました。
「こいつ湿らせちゃア大変だ」
「変な物だねえ、何なのさ?」
「いってみりゃア地雷火さ。普通にゃ落火というが」
「地雷火? まア、気味の悪い……どうしてお前さんそんなものを?」
「お殿様から下げ渡されたのさ」
「お殿様って? どこのお殿様?」
「殿様に二人あるものか。俺等のご主君は犬山の御前さ」
「それじゃア成瀬様から。……でも、成瀬様がそんな恐ろしいものを……」
「いよいよの場合には火をかけろってね、俺等前もって言いつけられているのさ」
この時露路のあちこちで、犬が吠え出しましてございます。私は竹筒を木箱の中へ納め、また地袋の中へ押し入れて、犬の吠え声に耳をかしげましたが、「あらかた話は済んだらしいな。