Japanische Klassiker mit Furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme
しかし自分の財産だけは、自分で持っていたそうです。そうして非常な漁色家で、花垣という美男の浪人と、関係していたということです。で、子が一人もないところから、葉末さんという娘を養女にしたところ、どうやら養女の葉末さんと、良人の琢磨氏とが愛し合っているらしい。で、嫉妬をしたのですね。そのうち死病にとっつかれ――業病だったということですが――死んでしまったのでございますよ。ところが死んで行く前までも、養女と良人との関係が、どうにも心にかかってならない。そこでそんなような遺言を――とても意地の悪い遺言を、残して行ったのだということです。ナーニ本人は死んでいるんだ、そんなつまらない遺言なんか、履行しなくたっていいのですが、その琢磨氏という人が、西洋の学が大すきで、こっそり研究しているうちに、死者の遺言というようなものを、尊重するようになったので、こだわってしまったのでございますね。だがやり口がひどいというので、時々夜など遺言状の前で、生きてる女房に話しかけるように、大きな声で口説いたそうです。つまり非難をしたという訳で。……ところが遺言の中身ですが、よめばお解りになる通り、琢磨氏は葉末さんと結婚は出来ない。