Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

と、怪塔王は、あわてて床の上にしゃがむと、帆村の手から例の汐ふきの顔をしたマスクをひったくりました。そしてそのマスクを目の前にさしあげ、さも感心したという風に、

「ふうん、実にうまく出来ているマスクだわい。こんないいマスクはないねえ。なにしろ顔にぴたりとあう。そして笑えばこのマスクも一しょに笑う。また怒れば怒ったで、このマスクもまた一しょに怒る。これをつけていれば、マスクをつけているとは誰もおもわないほどうまくできている」

と言って、マスクをあげて頭からすっぽりかぶりました。そのとき怪塔王は、自分で覆面をさらりと脱いだので、その下から大問題の素顔があらわれたはずですが。――

7

怪塔王は、自分の顔をつつんでいた風呂敷をぱらりと解きましたから、そのときたしかに下から怪塔王の素顔があらわれたはずです。

ですが、たいへん残念ながら、このとき折角の怪塔王の素顔を、誰も見たものがありません。なぜって、帆村探偵は気絶して床の上にたおれていますし、三人の黒人は鉄の円筒のなかに小さくなってふるえていました。そのほか誰もその場のありさまを見ているものがなかったのです。