Japanische Klassiker mit Furigana
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme
「あっ、綱が切れた!」
「ああっ、しまった!」
と、さけぶ小浜兵曹長と青江三空曹。
と、綱の端は怪塔から離れ、二人の軍人をぶらさげたまま、空中を大きくゆれて下へ。――
なんという恐しいことでしょう。
二人の軍人をぶらさげた長い綱は、まるで掛時計のふりこのように、ぶうんと反対の方へふりつけられます。
あっ、あぶない。
――と思う間もなく、飛行機は上に、綱は一たび垂直にさがりましたが、いきおいあまって、ひゅうっと綱がもちあがった。
「あっ、いたいいたい。腕が折れる!」
青江三空曹の悲痛なさけびです。
これはいけないと思った小浜兵曹長は、いそぎこれをたすけようと空中で自由にならない両脚をば、歯をくいしばって青江三空曹の方にむけて開き、彼の胴中をその両脚ではさんでやろうとしました。
「ああっ、いけない!」
と、青江が叫んだときには、もうすでにおそく、彼の両手は綱の上をすべっていきます。小浜兵曹長の両脚は、かいもなく、なんにもない虚空をはさみました。
その声が、青江の耳にはいったころには、青江の両手は、綱のはしからするりとぬけていました。
(あっ、青江が綱をはなした!)