Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
だのに、誰か物かげに潜んでいるようで、不気味だった。僕は、四辺に気を配りながら、格納庫の扉を開けた。そして携えてきた小さな石油ポンプを、格納されてある飛行機の方に向けた。それから、上着を脱いで、それに石油を浸した。
これで、準備はできたのだ。
「いいか」
僕は、自分自身にこう云って、石油を浸して上衣に火を点けると同時に、それを格納庫内の飛行機へ投げつけた。
ボーッ! と、凄まじい音を立てて、上衣は燃え上った。
「それッ!」とばかり、僕は、石油ポンプの把手を力の限り押した。燃え上った一団の火へ、石油を雨のように注いだからたまらぬ。たちまち、格納庫内は、火の海と化してしまった。
「ばんざーい」僕は、興奮して、おもわず万歳を連呼した。連呼しながら、僕は、両頬に伝う熱い涙を感じたが、それを拭おうともせず、なおも石油ポンプの把手を、力のかぎり、根かぎり押した。
と、このとき、はるかに宿舎の方にあたって、
「わア」「わア」という、喊声とも、悲鳴ともつかぬ、人々の叫喚が、嵐のように湧き上った。格納庫が火を吹いたので、それを発見した一人が、度を失って、人々に告げ廻ったのだろう。