Japanische Klassiker mit Furigana
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かいせいねんモセイ
怪青年モセイ
夢野 久作
Lesen Sie 怪青年モセイ (かいせいねんモセイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.527 Zeichen · 4 Bildschirme
細長いダンヒルのパイプに鼻の横のパラパラしたニキビが、よくうつった。次には印半天を着せて、赤いビラを振り撒かせてみた。その次には尺八を吹かせて荒格子の前に立たせてみた。ワンピースを着せて変装の女給に……活動のサキソフォン吹きに……タキシードを着せて芝居のボックスに……どれもこれも憎いほどよく似合った。それ位の事はやりかねないであろうノンキな青年に見えて来た。
日が暮れかかると、それでもモセイ君はお客様らしく二、三遍帰りかけた。それを私は無意味に二、三遍引き止めた。お菓子が最後の堅パン一枚になってもまだ話が尽きなかった。
踏切りを越えて、国道に出て「さようなら」を言ってもまだ二人の話は尽きなかった。けれどもそのうちに下り列車が、二人の鼓膜を震憾して通過したので、やっと話が途切れた。
帽子を手に持ってスタスタと国道の暗に消えて行くモセイ君のうしろ姿を、提灯の光で見送っているうちに、私はやっと同君の印象の全体のピントを合わせる事が出来た。
「人の頭の中のものをスーッと泄って行く……不思議な……なつかしい青年……近頃流行のシークとかスマートとかいう言葉は、こんな青年を形容する言葉ではあるまいか」