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Japanische Klassiker mit Furigana

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こいをこいするひと

恋を恋する人

国木田 独歩

Lesen Sie 恋を恋する人 (こいをこいするひと) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.195 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

見て行き過ぎると、甲が、

「今あの店にいたのは大友君じゃアなかッたか?」

「僕も、そんな気がした。」

「後姿が似ていた、確かに大友だ。」

「大友なら宿は大東館だ」

「何故?」

「僕が大東館を撰んだのは大友君からはなしを聞いたのだもの。」

「それは面白い。」

「きっと面白い。」

と話しながら石の門を入ると、庭樹の間から見える縁先に十四五の少女が立っていて、甲乙の姿を見るや、

「神崎様! 朝田様! 一寸来て御覧なさいよ。面白い物がありますから。早く来て御覧なさいよ!」と叫ぶ。

「また蛇が蛙を呑むのじゃアありませんか。」と「水力電気論」を懐にして神崎乙彦が笑いながら庭樹を右に左に避けて縁先の方へ廻る。少女の室の隣室が二人の室なのである。朝田は玄関口へ廻る。

「ほら妙なものでしょう。」と少女の指さす方を見ても別に何も見当らない。神崎はきょろきょろしながら、

「春子さん、何物も無いじアありませんか。」

「ほら其処に妙な物が。……貴様お眼が悪いのねエ」

「どれです。」

「百日紅の根に丸い石があるでしょう。」

「あれが如何したのです。」

「妙でしょう。」

「何故でしょう。」といいながら新工学士神崎は石を拾って不思議そうに眺める。