Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうぞうのちち
恭三の父
加能 作次郎
Lesen Sie 恭三の父 (きょうぞうのちち) von 加能 作次郎 (かのうさくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.742 Zeichen · 20 Bildschirme
」
「えいそうかいね、何んせ近年にない豊作やさかい。」
「おいね、然う言うて家の親爺も、のこ/\と出掛けて行ったのやとこと。もう帰りそうなもんじゃがのう。」
「それでも其家の親爺様は幾何飲んでも、家の親爺の様に性根なしにならんさかい宜いけれど。」
「そうでも無いとこと、……まあもう暫く待って見ましょう。」
こう言って権六の細君は帰った。
それから暫くしてから隣りの六平が子供を連れて帰って来た。先刻迎いに行った女房とは途が違って遇わなかったということだった。
「可愛相に、お前はまた何で浜通り来なんだがいの?」と恭三の母は女房に同情を寄せた。
「私もそう思うたのやれど、山王の森まで見に行ったもんやさかい、あれから浜へ戻るのが大変やし、それに日も暮れたもんで内浦通来たのやわいね。」と当惑したという樣子であった。
「そりゃそうと、うちの親爺に遇わなんだかいの。」
「あのう、神輿様が町尽れに揃わっしゃった時ね、飛騨屋の店に権六の親爺様と一緒でござったが、それから知らんなね。」
六平は引返して女房を迎いに行って来るから子供を暫く見て居て呉れと頼んで行った。三人の子供は恭三の家へ入って炉の傍で土産の饅頭を喰い始めた。