Japanische Klassiker mit Furigana
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あくむ
悪夢
豊島 与志雄
Lesen Sie 悪夢 (あくむ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.930 Zeichen · 32 Bildschirme
」
四角な薄汚い餉台の前に坐った女へ、私はそう尋ねかけてみた。
「十四よ。」
黒いしみのある味噌歯を出して薄笑いをしながら、女は尻上りの調子で答えた。
「十四……それにしちゃあよく伸びたものだね。」
「何が?」
「僕はまた十七八くらいかと思った。」
「そう。」
気乗りのしない返辞をして、彼女は私の方をじろじろと見ていた。私もその顔を見返してやった。下卑た凸額の下に、どんよりした眼が凹んでいたが、口許のあたりに、濡いのある初々しさが漂っていて、だらりと餉台の上に投げ出されてる、手首から指先の肉附など、十四歳と云うのも満更嘘ではなさそうだった。
「十四やそこいらで、どうしてこんな所へ出たんだい。」
「家が困ったからよ。」
「辛くはないかい。」
「そりゃあ辛いわよ、姉さん達が私に苦労かけないようにって、名指しでないお客には、いつも私を先に出してくれるけれど、それが却って私、嫌で嫌で仕様がないわ。いつも疲れてるせいか、眠くって堪らないのよ。」
「おい、滅多なことを云うなよ。客の前でそんな口を利くってことがあるか。」
「あら、御免なさい。」
眉根を挙げ眼をぱっちり見開いて、頸筋をしなやかに傾げながら、小娘にしては喫驚するような嬌態をしてみせた。