Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme
時に、釣れましたか、獲物を入れて、片手に提ぐべき畚は、十八九の少年の、洋服を着たのが、代りに持って、連立って、海からそよそよと吹く風に、山へ、さらさらと、蘆の葉の青く揃って、二尺ばかり靡く方へ、岸づたいに夕日を背。峰を離れて、一刷の薄雲を出て玉のごとき、月に向って帰途、ぶらりぶらりということは、この人よりぞはじまりける。
「賢君、君の山越えの企ては、大層帰りが早かったですな。」
少年は莞爾やかに、
「それでも一抱えほど山百合を折って来ました。帰って御覧なさい、そりゃ綺麗です。母の部屋へも、先生の床の間へも、ちゃんと活けるように言って来ました。」
「はあ、それは難有い。朝なんざ崖に湧く雲の中にちらちら燃えるようなのが見えて、もみじに朝霧がかかったという工合でいて、何となく高峰の花という感じがしたのに、賢君の丹精で、机の上に活かったのは感謝する。
早く行って拝見しよう、……が、また誰か、台所の方で、私の帰るのを待っているものはなかったですか。」
と小鼻の左右の線を深く、微笑を含んで少年を。
顔を見合わせて此方も笑い、
「はははは、松が大層待っていました。先生のお肴を頂こうと思って、お午飯も控えたって言っていましたっけ。