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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくじゅうへん

悪獣篇

泉 鏡花

Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

「むんにゃよ、年紀が上だけに、姉さまは御生のことは抜からぬぞの。八丈ヶ島に鐘が鳴っても、うとい耳に聞く人じゃ。それに二つ目へ行かっしゃるに、奥様は通り路。もう先刻に拝んだじゃろうが、念のためじゃ立寄りましょ。ああ、それよりかお婆さん、」

と片頬を青く捻じ向けた、鼻筋に一つの目が、じろりと此方を見て光った。

「主、数珠を忘れまいぞ。」

「おう、可いともの、お婆さん、主、そのの針を落さっしゃるな。」

「御念には及ばぬわいの。はい、」

と言って、それなり前途へ、蘆を分ければ、廂を離れて、一人は店を引込んだ。磯の風一時、行くものを送って吹いて、颯と返って、小屋をめぐって、ざわざわと鳴って、寂然した。

吻々吻と花やかな、笑い声、浜のあたりに遥に聞ゆ。

時に一碗の茶を未だ飲干さなかった、先生はツト心着いて、いぶかしげな目で、まず、傍なる少年の並んで坐った背を見て、また四辺をしたが、月夜の、夕日に返ったような思いがした。

嫗の言が渠を魅したか、その蘆の葉が伸びて、山の腰を蔽う時、水底を船が漕いで、岡沙魚というもの土に跳ね、豆蟹の穂末に月を見る状を、目のあたりに目に浮べて、秋の夜の月の趣に、いつか心の取られた耳へ、蘆の根の泡立つ音、葉末を風の戦ぐ声、あたかも天地の呟き囁くがごとく、我が身の上を語るのを、ただ夢のように聞きながら