Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かなしめるこころ

悲しめる心

宮本 百合子

Lesen Sie 悲しめる心 (かなしめるこころ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.423 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

小霧降り虫声わびて

我が心悲しめる

夜の最中

(一)

私は丁度その頃かなりの大病をした後だったので福島の祖母の家へ行って居た。

貧しいそいで居て働く事のきらいな眠った様なその村の単調な生活に少しあきて来かかった十日目の夜思いがけず東京から妹が悪いと云う電報を得た。

ふだん丈夫な児の事ではあるし前々日に出した手紙に一言も病気については云ってないので祖母はどうしても信じなかった。その二日ほど前から女中が病気で実家に行って居たので私がなりかわって水仕事やふき掃除をして最初の日に二箇所の傷を作った。

働くのが辛いからそう云っちやって電報を打つ様にさせたんだろうなどと祖母が云ったりした。

もう三日ほどしたらと思って居たのを急に早めて翌日の一番で立つ事にした。

「お前が行ったって死ぬものははあ死ぬべーっちぇ。

いろいろに引きとめるのをきかないで私は手廻りのものを片づけたり、ぬいだまんま衣桁になんかかけて置いた浴衣をソソクサとたたんだりした。

たえず心をおそって来る静かな不安と恐れとがどんな事でも落ついてする事の出来ない気持にさせた。