Japanische Klassiker mit Furigana
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かなしめるこころ
悲しめる心
宮本 百合子
Lesen Sie 悲しめる心 (かなしめるこころ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.423 Zeichen · 33 Bildschirme
おじいさまよ」と願えども
青い着物に銀の鎌
いかめしゅう立つとしよりは
くぼんだまなこで緋の衣を
じいっと見たまま立って居る
いつまでも――いつまでも
「それならわたしが行こうとは
申さぬほどにこの衣を
妹にやって下され」と
云うも叶わぬ願い事……
ホロホロと涙は雪のその様に
白い真綿にしみて行く
かけ入ろうにも門はなし
たのみたいにもつてはなし
縫いあげし衣手にもちて
残されし姉さ迷よえる
その名を呼びて 涙して――
雨が降る――風が吹く
土のお宮は淋しかろ 寒かろう
送ってあげたや この衣を
この毬を
残されし姉 さ迷える――
(終)
――○――
たった一人の掛けがえのない妹を失った私は大なる骨肉の愛情の力と或る動機によって一変する人間の感じと云うものの不思議さを知った。どうして今度斯う云う事を私が思ったかと云う事は亡き妹の性格と容貌をはっきりわからせなければそのわけが分らないのである。
世の数多数多い子供の中には何とはなし可愛げのない児と云うのがある。