Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
を練り歩いた。異国の周さんも、れいの津田氏に引張り出されたらしく、にこにこしながら津田氏と並んで提燈をさげて歩いている。私と津田氏とは、不和というわけではないけれども、どうも、あれ以来しっくり行かなくて、教室で顔を合せても、お互い軽く会釈するくらいで、打解けた話をした事はいちども無かった。それが、その夜に限ってごく自然に私のほうから津田氏に、
「津田さん、おめでとう。」と言葉をかけた。
「やあ、おめでとう。」と津田氏も上機嫌である。
「いろいろ、失礼しています。」と私は、すかさず平素の御無音をついでに謝した。
「いや、僕こそ。」と外交官の甥はさすがに円転滑脱である。「あの晩は酔いすぎて、僕はたいへんいけませんでした。あとで、僕は藤野先生に叱られました。」
「何の事ですか?」と周さんは口をはさんだ。
「いや、津田さんから鳥のたたきをごちそうになって、飲んだのです。」と私は、あいまいに言いまぎらした。
「それだけじゃないんだ。」と津田氏は言いかけて、ふいと語調をかえ、「君はまだ周さんに何も言ってないの?」
ええ、と私は小さく首肯き、何も言うな、と眼で津田氏にせわしなく合図した。