Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
内容の文章は、さらにもっと下手くそであった。字も、いやに肩を怒らした野卑な書体で、どうにも、くさいにおいが発するくらいに、きたならしい手紙であった。まず、
汝悔い改めよ!
と大書してある。私は、ぞっとした。私はこんな予言めいたキザな言葉は、昔も今も大きらいである。つづいて、珍妙な、所謂「直言」が試みられている。何だか、くどくどした「直言」で、頗るわかりにくいものであったが、要するに、汝は卑怯である、汝は藤野先生から解剖学の試験問題を、あらかじめ漏らしてもらっていたのだ、その証拠には、汝の解剖学のノオトには、藤野先生が赤インキで何やら印をつけてある。汝には及第の資格が無いのだ、悔い改めよ! という事なのである。
「なあんだ、これは。」私はその手紙を破ろうとしたら、津田氏はあわてて、
「あ、待て待て。」と言い、素早く手紙を私から奪い取り、「大事件だよ、これは。君とこれから、いろいろ相談してみたいんだ。実に不愉快な事件だ。酒でも飲まずには居られない気持だ。この家に、お酒が少し無いかしら。」
私は苦笑して、下宿の家族の者に、お酒はありませんか、と尋ねた。お酒は今夜、亭主が飲んでしまったが、ビイルならある、という女房の返事だ。