Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
を志した。
お昼すこし過ぎに仙台を発足して、四里ほどの道をぶらぶら歩いて塩釜に着いた頃には、日も既に西に傾き、秋風が急につめたく身にしみて、へんに心細くなって来たので、松島見物は明日という事にして、その日は塩釜神社に参拝しただけで、塩釜の古びた安宿に泊り、翌る朝、早く起きて松島遊覧の船に乗ったのであるが、その船には五、六人の合客があって、中にひとり私と同様に仙台医専の制服制帽の生徒がいた。鼻下に薄髭を生やし、私より少し年上のように見えたが、でも、緑線を附けた医専の角帽はまだ新しく、帽子の徽章もまぶしいくらいにきらきら光って、たしかに今秋の新入生に違いなかった。何だか一、二度、教室でその顔を見かけたような気もした。けれども、そのとしの新入生は日本全国から集って百五十人、いや、もっと多かったようで、東京組とか、大阪組とか、出生の国を同じくする新入生たちはそれぞれ群を作って、学校にいても、また仙台のまちへ出ても、一緒に楽しそうに騒ぎまわっていたものの、田舎の私の中学から医専に来たのは私ひとりで、それに私は、生来口が重い上に、ご存じの如くひどい田舎訛りなので、その新入生たちにまじって、冗談を言い合う勇気もなく、かえってひがんで、孤立を気取り、下宿も学校から遠く離れた県庁の裏に定めて、同級生の誰とも親しく口をきか