Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
と言いかけ、急にそわそわし出して、「何時ですか、もう、おそいんじゃありませんか?」
私は時刻を告げた。
「そうですか? も少しお邪魔さしてもらってもいいですか?」と醜い卑屈の笑いを浮べて、「僕はこのごろ、人の気持が、わからなくなってしまいました。支那の者どうしでも、わからない事が多いのに、まして、国籍を異にしている人と人との間では、わからないのは当然でしょうけれど、僕は、あなたに今まで少し甘えすぎていたような気がするのです。あなたばかりではない、藤野先生にも、また、この下宿の父さん母さんにも、僕は少しいい気になりすぎていました。僕は矢島さんなどのあんな手紙が、かえってさっぱりしていていいと思うのです。支那人は劣等だから、いい成績がとれるわけはないと、はっきりした態度を示してくれる。そうすると、こちらの気持もきまって、たすかります。温情は、どうも、つらくていけません。これから、あなたも、どうか思ったとおりの事を僕にいって下さいよ。この下宿では、こんなにおそくまで、僕なんかが話込んでいると、いやがるんじゃないですか。大丈夫ですか?」
私は黙っていた。こんなにいやらしく遠慮するお客ならば、或いは下宿の人たちも嫌悪するかも知れないと思った。