Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
自分の深く信仰している事に就いては、あまり熱狂して騒がぬほうがいいのではないかしら。東京の友人たちは、口をひらけば三民主義、三民主義の連発で、まるでそれが、人間と非人間を区別する合言葉のようになってしまって、あれでは、真の三民主義の信奉者は、いまに竹藪にはいってしまうのではないか、と、いや、これは僕のひねくれた妄想に違いないと思うのですが、僕はもう、三民主義とはどんなものだか、それさえわからなくなって来ました。しかし、あの人たちの情熱だけは信じなければならぬ。いや、尊敬しなければならぬ。あの人たちは、自国を独立の危機から救うため命がけで叫んでいるのだ。僕の生きる道も、あの人たちと歩調を合わせて駈けまわるより他にないのでしょう。僕は革命の党員ではないけれども、卑怯な男ではありません。僕はあの人たちと一緒にいつでも死ぬ覚悟を持っています。僕の船の舵は、僕がそれを望むか望まぬかに拘らず、もう既に一定の方角に向って釘づけにされてしまっているようにも思われる。僕は、いまはあの人たちの何か役にたたなければならぬ。それには、まず、どうしたらいいか、と思うと、たちまち、また憂鬱な竹藪が眼前に現出して来るのです。