Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
それでは、私は少し質問しますが、記憶に残っているところだけでも答えて下さい。」
それから記者は一時間ばかり、当時の事をいろいろ質問して、私のしどろもどろの答弁に頗る失望の面持で帰って行ったが、それでも、ことしの正月にはその地方の新聞に、「日支親和の先駆」という題で私の懐古談の形式になっている読物が五、六日間連載された。さすがに商売柄、私のあんな不得要領の答弁をたくみに取捨して、かなり面白い読物にまとめている手腕には感心したが、けれども、そこに出ている周さんも、また恩師の藤野先生も、また私も、まるで私には他人のように思われた。私の事など、どんなに書かれたって何でも無いけれども、恩師の藤野先生や周さんが、私の胸底の画像とまるで違って書かれているので読んだ時には、かなりの苦痛を感じた。これもみな私の答弁の拙劣に原因しているのであろうが、でも、どうも、あんなに正面切って次々と質問されるとこちらは、しどろもどろにならざるを得ないのである。とっさに適切の形容等、私のような愚かな者にはとても思い浮かばず、まごついて、ふと呟いた無意味な形容詞一つが、妙に強く相手の耳にはいって自分の真意を曲解されてしまう事も少くないだろうし、どうも私は、この一問一答は、にがてなのだ。