Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
そうしてことしの二月、日本は北方の強大国露西亜に対して堂々と戦を宣し、日本の青年たちは勇躍して戦場に赴き、議会は満場一致で尨大の戦費を可決し、国民はあらゆる犠牲を忍んで毎日の号外の鈴の音に湧き立っている。自分は、この戦争は大丈夫、日本が勝つと思う。このように国内が活気汪溢していて、負ける筈はない。それは自分の直感であるが、同時に、自分はこの戦争が勃発して以来、非常に恥かしい気分に襲われた。この戦争は、人に依っていろいろの見方もあるであろうが、自分はこの戦争も支那の無力が基因であると考えている。支那に自国統治の実力さえあったなら、こんどの戦争も起らなくてすんだであろうに、これではまるで支那の独立保全のために日本に戦争してもらっているようにも見えて、考え様に依っては、支那にとってはまことに不面目な戦争ではあるまいか。日本の青年達が支那の国土で勇敢に戦い、貴重な血を流しているのに、まるで対岸の火事のように平然と傍観している同胞の心裡は自分に解しかねるところであった。しかも同じ年配の支那の青年たちが、奮起するどころか、相も変らず清国留学生会館でダンスの稽古にふけっているのを見るに及んで、自分もようやく決意した。