Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
「やるか、おい。」と津田氏は大あぐらに両肘を突張ってわめいた。
私は苦笑した。
さようなら、とだけ言って外に出たが、さすがに面白くなかった。よし、あした藤野先生に直接逢って事の真偽をたしかめて見ようと思った。周さんがスパイになる可能性があって、そうして私が非国民の不良少年だなどと言われては黙って居られないような気がした。私は県庁裏の下宿している家に帰って、井戸端で顔を洗い、手を洗い、足を洗った。すこしさっぱりした気持になって、その夜は、ぐっすり眠れた。翌朝、私は意気込んで登校し、授業のはじまる前に、藤野先生の研究室に行き、ドアをたたいた。おはいり、という先生の声がする。躊躇せず、ドアをあけると、部屋には朝日が一ぱいに射し込んでいて、先生は、上肢骨やら下肢骨やら頭蓋骨やら、頗る不気味な人骨の標本どもに取巻かれ、泰然と新聞を読んで居られた。廻転椅子を少し私のほうにねじ向け、新聞を卓上に置き、
「なんですか。」研究室に於ける先生は、教室の先生よりもずっと優しい。
「あの、第三国人と交際してはいけないのですか。」
「え、なんです?」先生は、関西なまりを丸出しにして問いかえした。