Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
邪道です。快楽は、進歩させるべきものではありません。昔、ギリシャで、絃を一本ふやした新式の琴を発明した音楽家を、追放したというじゃありませんか。支那の『墨子』という本にも、公輸という発明家が、竹で作った鵲を墨子に示して、この玩具は空へ放つと三日も飛びまわります、と自慢したところが、墨子は、にがい顔をして、でもやっぱり大工が車輪を作る事には及ばない、と言ってその危険な玩具を捨てさせたと書いてあります。僕はエジソンという発明家を、世界の危険人物だと思っています。快楽は、原始的な形式のままで、たくさんなのです。酒が阿片に進歩したために、支那がどんな事になったか。エジソンのさまざまな娯楽の発明も、これと似たような結果にならないか、僕は不安なのです。これから四、五十年も経つうちには、エジソンの後継者が続々とあらわれて、そうして世界は快楽に行きづまって、想像を絶した悲惨な地獄絵を展開するようになるのではないかとさえ思われます。僕の杞憂だったら、さいわいです。」
そんな事を語りながら、「油くさい」天ぷら蕎麦を、おいしく食べて、私たちは東京庵を出た。お勘定はその時、どっちが払ったか、津田氏の忠告に従ったか、どうだったか、そこまでは、さすがにいまは記憶していない。