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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいとにんしきとのしゅっぱつ

愛と認識との出発

倉田 百三

Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

とありありと鮮やかに活字に書いてあるではないか。独我論を脱することができた※(疑問符感嘆符、1-8-77) この数文字が私の網膜に焦げつくほどに強く映った。

私は心臓の鼓動が止まるかと思った。私は喜びでもない悲しみでもない一種の静的な緊張に胸がいっぱいになって、それから先きがどうしても読めなかった。私は書物を閉じて机の前にじっと坐っていた。涙がひとりでに頬を伝わった。

私は本をふところに入れて寮を出た。珍しく風の落ちた静かな晩方であった。私はなんともいえない一種の気持ちを守りながら、街から街を歩き回った。その夜蝋燭を燈して私はこの驚くべき書物を読んだ。電光のような早さで一度読んだ。何だかむつかしくてよく解らなかったけれど、その深味のある独創的な、直観的な思想に私は魅せられてしまった。その認識論は私の思想を根底より覆すに違いない。そして私を新しい明るいフィールドに導くに相違ないと思った。このとき私はものしずかなる形而上学的空気につつまれて、柔らかく溶けゆく私自身を感じた。私はただちに友に手紙を出して、私はまた哲学に帰った。私と君とは新しき友情の抱擁に土を噛んで号泣できるかもしれないと言ってやった。