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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいとにんしきとのしゅっぱつ

愛と認識との出発

倉田 百三

Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

私は私が恋愛の天才であることを自覚した。私には恋は一本道である。私はどこまでもこの一本道を離れずに進まなければならない。私は勇んで恋愛のために殉じたい。よしやそれが身の破滅であろうとも私はそれによって祝福さるるに相違ない。

恋は遊びでもなく楽しみでもない、生命のやみがたき要求であり、燃焼である。生命は宇宙の絶対の実在であり、恋愛は生命の最高の顕彰である。哲学と芸術と宗教とを打して一団となせる焔の迸発である。生命(霊と肉)と生命とが抱擁して絶対なる、原始なる、常住なる、自然なる実在の中に没入せんとする心である。神とならんとする意志である。

私らは恋愛というとき甘い快楽などは思わない。ただちに苦痛を連想する。宗教を連想する。難行苦行を思う。順礼を思う。凝りたる雪の上を踏む素足のままの日参を思う。丑の時参りの陰森なる灯の色を思う。さてはあの釣鐘にとぐろを捲きたる蛇の執着を思わずにはいられない。

恋愛の究極は宗教でなければならない。これ恋の最も高められたる状態である。私は私の身心の全部をあげて愛人に捧げた。私はどうなってもいい。ただ彼女のためになるような生活がしたいと思う。