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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいとにんしきとのしゅっぱつ

愛と認識との出発

倉田 百三

Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

纒綿として濃やかな、まことにみちたる感情が私の胸のなかをあふれ流れている。

春の目ざめの処女の身体の内部から、おのずから湧き出る恋心は、コンヴェンショナルな女をも自然児に変ずる力がある。その純なる感情の流れに従って生きるとき、女はやすやすと伝説を破って、まことのいのちに入ることができたのだ。

私は恋愛が肉の上に証券を保ってることが心強くてならない。肉体は生命の最も具体的なる表象である。それだけ最も心強いたしかなものである。肉と肉との有機的なる融着よ! 大きな鮮やかな宇宙の事実ではないか。その結果として新しき「生」が産出されるのかと思えば、胸がどきどきするほどたのもしい。まことに恋愛は肉の方面から見れば科学者のいうように「原形質の飢渇」であるかもしれない。細胞と細胞とが Sexual union に融合するときの「音楽的なる諧和」であるかもしれない。

思えば私は長い間淋しい不安な荒んだ生活をしてきたのだ。それはあたかも霖雨のじめじめしい沼のような物懶い生活が今日も今日もと続いたのだ。欠席、乱酒、彷徨、怠惰、病気、借金、これらのもののなかを転っていた私の生活はけっして明るいものではなかった。