Japanische Klassiker mit Furigana
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme
居合わすものはS君と君とD君とK君、お互いに舞子の顔の批評ばかりし合ってる。
翌日嵐山、金閣寺を見物して、クラシックの匂いを慕って奈良に回ったが綺羅粉黛人跡繁くして駄目であった。ただ大仏に対して何だか色のない尊い恋というようなものを感じた。それからずうッとO市に帰ったのである。
今日は八日、花曇りの空は重々しく垂れかかってる。こうして机に倚りかかってぼんやりしてると、過ぎにし旅行のことが影絵のごとく、おぼろに思い浮かべられて、淡い淡い悲哀を覚ゆるのである。恋しき友よ、君はなんという私にとって無くてはならない友であろう。私の覚ゆる悲哀は一には君のために覚ゆる悲哀である。春雨に濡るる若草のごとくに甘い、懐かしい、潤うた悲哀である。君無くば乾からびた味の無い砂地のごとき悲哀になっちまう。
お互いに自重しようね。耽溺、刹那主義、pleasure-hunter なんという嫌な響きであろう。思索だ! 思索だ! 永遠にして崇高なものをぐっと握り締めるまでは、私共のなすべきすべてのことはただ思索あるのみである。
今日は朝っぱらから心細いことのみに出っくわす。例の瘰癧の男と学校で会って僕が彼に思索せぬことを詰ったら彼は次のごとく答えた。