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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

ぼくは途中でタクシイを下りて帰りました。あんまり大声で、いやだ、いやだって狂人みたいに叫びはじめたんで、仕方なく帰ったんです。マリはたぶん、そのまま藤沢にふっとばしたんです」

「……どうもわからないな」私はマリの自殺に、この男の果たした役割りについてそう呟いてみたのだ。

「君とマリが、その藤沢のホテルに行ったのはいつごろ?」

「テレビの録画を撮ったときです。ロケに行ったんです。先月。ちょうどひと月前」

ひと月前……古い地図をひっぱり出しまた壁に貼ったころだ。私は思いついた。爪のばつは、ほんとに後屈のためだろうか。

「新聞には、なにも書いてなかったな」

「銀行の頭取は、とても顔がきくそうです」平山はふだんの皮肉な顔にもどろうとしていた。

「保井は、ぼくにはなにもいわなかった。……いいたく、なかったんだろうね」

私には、しかし穏便に事を処そうとする進の意図のかげに、いまさらそんな共通の傷を表立たせたところでという顧慮とべつに、進なりのある判断がこめられている気がした。彼は、すべてが巧く行くはずだったと語った。もちろん、はっきり解決のついたものとは思わなかったにせよ、彼にはマリのその事件は、自分にもマリにも、もはや手当てのおわった傷のはずだという考えがあったのではないのか。