Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

そのくせ自分の小遣いはパッパッと使っちゃって、溜まらないのはお前のやりくりが下手だからだ、ケチのくせに金の使い方がまずいからだ、ってこうなの。自分こそすこし始末したらいいのに、ってだからいってやるんですよ。なんてったって男と女とじゃ、使うお金の桁がちがうんですもの」

私は、なんとなく変態的な夫婦というものは、ひどく仲がいいか、冷たく憎みあっているか、とにかく特別な愛情で結ばれているのだと思っていた。が、そこで見た細君は、どこにでもいる普通の、平凡な、夫への感情の点でもごく平均的な、いわばありふれた健全なオカミサンでしかないのだ。私は、昨夜の彼女と現在の彼女とがうまく一つに重ならないのも、自分にまだまだ青っぽいさまざまな幻影がこびりついている証拠であり、でも、いま、それがまた一つ剥がれたと思った。

裏庭の日だまりに、家主の丹精した黄と紫のパンジーが咲きかけていたのを憶えている。白く梅の花びらもこぼれていた。三月になるかならないかの季節だったと思う。

だが、私は以後、彼女たち夫婦に好奇心や興味はもたなかった。私には他人たちへの関心をふくらませ、育てる能力がなかったのだ。