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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

癖なのかすこし首を曲げて、女は伍長に腕をとられながら黄色い服の女をみた。

「どんなのよう。それ、おら知ってんけえ?」

「スロオよ。ふかむらさき」やさしく女はいい、顔をもどしかけた。そのとき信二と目が出逢った。信二は目をそらさなかった。

黒い服の女は、しばらくはびっくりしたような瞳で彼をみていた。音楽がはじまるまでの数瞬間、女はふしぎそうに、怒ったような強い眼眸の彼をながめていた。

胸がしびれていた。だが、信二は目を放すまいと決意していた。音楽がはじまり、伍長と踊り出そうとするそのとき、たしかに女は信二に頬笑んだように思えた。縁なし眼鏡の優等生のような伍長は、長身の胸を礼儀正しく離して踊り出した。

信二は浮き立つような心で思っていた。たぶん、彼女はオンリーだろう。だが、もしかしたら、これは金や物に兌換するための関係ではないのかもしれない。ぼくの夢のとおり、いいところの娘の、疎開族の彼女とこの青年の伍長は、真の恋愛、結婚に行きつくべき正式な約束のある関係であるのかもしれない。彼は、むしろ祝福すべきもののように二人をみた。伍長は、北欧系かもしれない。やはりちゃんとした教育をうけた上流の子弟に眺められた。