Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
「ありがとう」と彼はいちいち礼をいった。信二は、その娘たちの好意を、一番年少の自分への年齢的な親愛にすぎないと思っていた。
キャムプの風景はいつも同じだった。あかあかと幾基かの照明が前後左右から彼を照らし出して、夜というより、それはいつも同じく低くせまく暗い空をもった真昼なのだ。つねに一定の明るさがやわらかく敷地を覆っていて、彼にとって、キャムプの風景は、いつも単一な夜のそれでしかなかった。
その光のけむる空間に白くこまかな線を燦めかせて雨の降る日があり、天頂の星屑の高さをおしえて晴れたそれがあった。
海からの風のつよい日など、さわさわと昼の明るさのなかでそれだけは冷えた夜の風が、洗いつづけるように彼の頬をゆすぶる。ゲートに群がる人びとを見やりながら、だが彼はゆっくりと歩く足をとめない。女たちは、それぞれの友人に招ばれてという形式でしか、衛門を通ることがゆるされない。大声で兵士の名を呼んだり、手を振って合図をして、門のそとでひしめく女たちのあいだに、信二は、いつも黒い服の女をさがそうとしていた。門に駈け寄って行く兵士たちのなかに金髪の伍長をみつけようとしていた。