Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
……なにが可笑しいのだろう。こんなのはきっとノイローゼだ。そうなのだ、他人はきっとこんなおれをノイローゼだというだろうなと思うと、胸の中で、さらに笑いの小爆発は連続してやまなかった。おかしな夜だった。いまなら、私はその自分を、ヒステリイ症状だと考えるだろう。つまりそれは「生物学的合目的性を有する一つの調節」だが、「目的のない運動の過剰生産」だったのにすぎない。これはクロカナブンのヒステリイについての言葉だったと思うが、そのときの私に、ぴったりと適合するのではないだろうか?
ときどき、古い女友達の一人が下宿にやってくるようになったのは、その前、たしか四月ごろからだったと思う。下宿に向う私鉄に乗っていたとき偶然に逢い、どこに行くの、と聞くから答えたまでなのだが、女は訪ねてきてしまった。そのとき、濃紺の水玉の散った白のワンピースに、淡い水色のカーディガンを着ていたのを憶えている。女はきちんと膝をそろえて坐り、最後まで姿勢を崩さなかった。若い腿の丸さが消えたためか、正坐した女の膝から胴につづく傾斜が平たく、薄くなって、それが昔から小柄だった彼女を、それなりにひどく大人っぽく安定した感じにしていた。