Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
私は、自分が誰も愛さず、したがって誰からも愛される資格のない人間だ、という考えを変えたわけではなかった。私はときたまの仕方のない情慾の他は、なにひとつ女に強制したのでもなく、その情慾すら、ほとんどは女への過剰なおつきあいの精神、目の前にいる相手への弱さから、いわば「強制」させられているのだ。いつ女が消えても、だから、なんの不自由もない。――
そのことを私は疑わなかった。自分は、その気になれば一生でも平気で孤立を維持できるだろう。私は自分の関心の自分だけへの集中と、そのストイシスムとを信じていた。……愚かなことかもしれない。いや、たぶんこれは明瞭に愚かしい自己欺瞞だ。でも私にはそれはたった一つの「正しいこと」でもあり、自分自身にしか関心をもたぬことの不安を徹底させることこそ、私のえらんだ私のただ一つの支えであり力だと信じていたのだった。
人間には、他人に自分を強制できる人間と、できない人間とがいるのだ。私は他人を愛せないという無資格の自覚から、自分が後者に属しているのだと思っていた。相手しだいで私は出たとこ勝負の嘘もつけば同調も追従もなんでもやれ、それじたいはちっとも苦にはならない。