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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

「くたぶれちゃった、おれ、脚がしびれちゃった」脚は痺れてはいなかったが、私は二人のあいだの椅子に腰をかけて、脚をもみながら大げさに眉を寄せた。私は、なにも知りたくなかった。それはしち面倒で厄介な種類のことにきまっている。だが同時に、私はその奇妙に重苦しい沈黙も、彼らとわかちもちたくはなかったのだ。

進がウイスキィを注いでくれた。私はいつもの回避策をつかった。「ああ、おれはねむくなっちゃったよ」沈黙はまだつづいていた。私は腕を屈伸させ、ついでに目をこすった。

「……おれは、マリとはちょいちょいしゃべったけど」やがて、佐藤は机をみつめながらいった。「私が不幸なはずはないじゃないの、とマリはよくいってた。つい二三日まえも、そんなことをきいた気がする」

私は推測の正しかったのがわかった。佐藤の声はかわっていた。声音には、抑圧された忿懣がよどんでいた。保井進はうすく笑った。皮肉なとも、途方にくれたそれともみえる微笑だった。

「お前、原因がわかるか?」佐藤は私にいい、私は首をふった。「こいつは、心当りがないっていうんだ、保井は」と佐藤は低くいった。

手をのばすと、進はラジオの上から真理子の写真をとり、だまってそれに見入った。