Japanische Klassiker mit Furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Lesen Sie 愛よ、愛 (あいよあい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.138 Zeichen · 99 Bildschirme
食味なども、下町式の粋を好むと同時に、また無茶な悪食、間食家でもありました。
仕事は、昼よりも夜に捗るらしく、徹夜などは殆ど毎夜続いた位です。昼は大方眠るか外出して居るかでした。
しかしそうした放埒な、利己的な生活のなかにも、氏には愛すべき善良さがあり、尊敬すべき或る品位が認められました。
四五年以来、氏はすっかり、宗教の信仰者になってしまいました。
始めは、熱心なキリスト教信者でした。しかし、氏はトルストイなどの感化から、教会や牧師というものに、接近はしませんでした。氏は、一度信ずるや、自分の本業などは忘れて、只管深く、その方へ這入って行きました。氏の愛読書は、聖書と、東西の聖者の著書や、宗教的文学書と変りました。同時にあれほどの大酒も、喫煙もすっかりやめて、氏の遊蕩無頼な生活は、日夜祈祷の生活と激変してしまいました。
その頃の氏の態度は、丁度生れて始めて、自分の人生の上に、一大宝玉でも見付け出した様な無上の歓喜に熱狂して居ました。キリストの名を親しい友か兄の様に呼び、なつかしんで居ました。或時長い間往来の杜絶えて居た両親の家に行き、突然跪いて、大真面目に両親の前で祈祷したりして、両親を却って驚かしたこともありました。