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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいよあい

愛よ、愛

岡本 かの子

Lesen Sie 愛よ、愛 (あいよあい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.138 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

かの女も亦それを確実に常に受け取って居るのである。だから、かの女は自分の妄想までが、領土を広く持っている気がするのである。自分の妄想までを傍で逸作の機敏な部分が、咀嚼していて呉れる。咀嚼して消化れたそれは、逸作の心か体か知らないが、兎に角逸作の閑却された他の部分の空間にまで滲みて行く――つまり逸作が、かの女の自由な領土であるということだ。かの女が、逸作の傍で思い切って何でも言え、何でも妄想出来るということが、逸作がかの女の領土である証拠であり、そういう両者の機能的関係が「円満な夫婦愛」などと、世人が言いふらすかの女等の本体なのである。だが、かの女は「夫婦愛」などと言われるのは嫌いなのである。夫婦と言う字や発音は、なまなましい性欲の感じだ。「愛」と言うほのぼのとした言葉や字に相応しない、いやらしさをかの女は「夫婦」という字音に感じる。ただ、今はひとのことで或る時、或る場合一寸此の字が現われて来るのなら彼女は宜いと思う。芝居の仕草や、浄瑠璃のリズムに伴い、「天下晴れての夫婦」などと若い水々しい男女の恋愛の結末の一場面のくぐりをつける時に、たった一つ位い此の言葉を使うのは、世話に砕けたなまめかしさを感じて宜いと彼女は思う。