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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいよあい

愛よ、愛

岡本 かの子

Lesen Sie 愛よ、愛 (あいよあい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.138 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

廃墟は廃墟としての命もちつゝ羅馬市の空に聳えてとこしへなるべし。

かの女は自分が彼処をうたった歌を思い出して居た。

と、何処か見当の付かぬ処で、大きなおならの音がした。かの女の引締まって居た気持を、急に飄々とさせるような空漠とした音であった。

――パパ、聞こえた?

逸作とかの女は不意に笑った顔を見合わせて居たのだ。

――墓地のなかね。

――うん。

逸作はあたりまえだと言う顔に戻って居る。

――墓地のなかでおならする人、どう思うの。

かの女は逸作を覗くようにして言った。

――どうって、…………君はどう思う。

――私?

かの女は眼を瞑って渋め面して笑い直した。そして眼を開いて真面目に返ると言った。

――余っぽど現実世界でいじめられてる人じゃないかしら。普通ならお墓へ来れば気が引締まるのに。お墓へ来て気がゆるんでおならをする人なんて。

かの女達が腰を上げて墓地を出ようとすると、其処へ突然のようにプロレタリア作家甲野氏が現われた。

朝は不思議にどんなみすぼらしい人の姿をも汚なくは見せない。その上、今日の甲野氏はいつもよりずっと身なりもさっぱりして居る。

――やあ。