Japanische Klassiker mit Furigana
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あいけいでん
愛卿伝
田中 貢太郎
Lesen Sie 愛卿伝 (あいけいでん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.745 Zeichen · 14 Bildschirme
手に弄す双頭茉莉の枝
曲終って覚えず鬢雲の欹くことを
珮環響く処飛仙過ぐ
願わくは青鸞一隻を借りて騎らんことを
曲々たる欄干正々たる屏
六銖衣薄くして来り凭るに懶し
夜更けて風露涼しきこと如許ぞ
身は在り瑶台の第一層に
愛卿の詩を見ると、もう何人も筆を持つ者がなかった。
趙という富豪の才子があって、父親が亡くなったので母親と二人で暮していたが、愛卿の才色を慕うのあまり、聘物を惜まずに迎えて夫人とした。
趙家の人となった愛卿は、身のとりまわしから言葉の端に至るまで、注意に注意を払い、気骨の折れる豪家の家事を遺憾なしに切りもりしたので、趙は可愛がったうえに非常に重んじて、その一言半句も聞き流しにはしなかった。
趙の父親の一族で、吏部尚書となった者があって、それが大都から一封の書を送ってきたが、それには江南で一官職を授けるから上京せよと言ってあった。功名心の盛んな趙は、すぐ上京したいと思ったが、年取った母親のことも気になれば、愛卿を遺して往くことはなおさら気になるので、躊躇していた。
愛卿は趙のそうした顔色を見て言った。
「私が聞いておりますのに、男の子の生れた時は、桑の弧と蓬の矢をこしらえて、それで天地四方を射ると申します、これは将来、男が身を立て、名を揚げて、父母を顕わすようにと祝福するためであります、恩愛の情にひかれて