Japanische Klassiker mit Furigana
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わがじんせいかん
我が人生観
Lesen Sie 我が人生観 (わがじんせいかん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.735 Zeichen · 22 Bildschirme
私の看病に疲れて枕元にうたたねして、私ではない他の男の名をよんでいる女房の不貞を私は咎める気にはならないのである。咎めるよりも、哀れであり、痛々しいと思うのだ。
誰しも夢の中で呼びたいような名前の六ツや七ツは持ち合せているだろう。一ツしか持ち合せませんと云って威張る人がいたら、私はそんな人とつきあうことを御免蒙るだけである。
私は一月の大半は徹夜して起きているが、私の書斎は離れになっているので、私の動静は他の部屋からは分らない。ここへ越してきて、私の書斎へ寝ることを許された時に、女房はこの上もなく嬉しそうであった。そして、私が仕事している机の向うに、毎晩ねむっているのである。女房は時々うなされたり、ウワゴトを云ったり、叫びをあげて目をさましたりする。
「今、何か言わなかった?」
「何か言ったが、ききとれなかった」
「人の名をよばなかった?」
「ききとれなかったよ」
女房は安心して、また、目をつぶる。時々そういうことがあるが、女房はウワゴトから心の秘密をさとられることを、さのみ怖れてもいないようである。しかし、親しい人のウワゴトをきくのは、切ないものである。