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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

わからなくなつた

※(始め二重山括弧、1-1-52)私の こころは

わからなくなつた    (後略)

追分村の旧家に一人の娘がいて、立原はこの娘さんを愛するようになっていた。この「夢のあと」一篇は立原にはめずらしく、心に突きこんだ現われを見せている。抒情の世界で溜息をつく詩の多い中で、この「夢のあと」は或日の机の上で書きちらしている間に、突然、殆んど自然にこんな現われを見せた四行を彼は別の紙に書いて、のこしても宜い詩のうちへ入れたものらしい。凡ての詩人の生い立ちには自分の詩をあつめたノートを綴じて、詩集の仮装を作り上げて見るものだが、立原も気に入った詩を書物のように纏め、何冊かを秘蔵したものらしく、そのまま、すぐに印刷にすれば一冊の詩集となる拵えであった。この詩にあるお前の心も、私の心もわからないという若さの曖昧さが、いとも投げ遣りに悲しくつづられている。

私はその娘さんを一度も見たことはないが、一緒に散歩くらいはしていたものらしく、その途上にあった雑草とか野の小径や、林の上に顔を出している浅間山なぞが、娘さんのからだのほとぼりを取り入れて、匂って来るような彼の詩がいたるところにあった。