Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
私らは別離に耐へることが出来る と (後略)
私は滅多に人を訪ねることをしないが、立原の家をたずねたことが一度あった。何でも屋根裏のような書斎でよく覚えていないが、帆柱に部屋を取りつけたような構造で、窓が二つくらいあったが、陰鬱な書斎だった。どこにも変った処はない。ただ、その書斎までに若さが装飾され、一つの物でも、生かして眺めるという好奇の風景があった。
立原は自分の部屋の構造を家の娘に画いて来た手紙には、椅子は緑色に、卓はココア色に、窓はセピア色にというふうに、色鉛筆をさまざまにつかい分けて、子供の鉛筆画のように描き上げてあった。彼は色鉛筆が好きで、ドイツ製のババリアとか、レバンスとか、キャッスルとかの鉛筆を蒐集していた。当時、堀辰雄も外国の鉛筆を集めていたので、その影響があったのかも分らぬ、元来が大学では建築を学んでいたし、二年ばかり勤めていた事務所も建築専門であった。だから、建築家と色鉛筆という言葉が、立原には相応しい象徴語であったかも判らぬ。併し私の見た彼の書斎はごちゃごちゃしていて、整理もなかったし、すぐれた装飾も見られなかった。