Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
鋭くはないが他を誘うことに迅い信夫の詩が、私の眼に彼が丸山の詩に惹かれていることを知った。詩というものを作るということは、或る意味で盗まなければならないことだ、小説を書く場合にもまた多くを盗まなければならない、巧みに溶かしてぬすむということは、その詩人なり小説家の、頭の溶かしぐあいと、ぬすむことによって盗んだ十倍も本物を自分から惹き出すことにある。大概の有名な彼らは不識のこの面白い道を辿っている、津村信夫もまたこの道にある友情を拾って、自分の中に溶かしていた。彼は生前、丸山薫のことをよく話に出していたが、詩に影響をうけていることは知らなかった。私の眼にいまは友情のうつくしさが感じられ、文学にある友愛ほどいみじく嬉しいものはないし、それが作品のうえに見られることでは、いかなる人間の至情よりも純粋で且つおごそかでさえあった。
愛する神の歌
父が洋杖をついて、私はその側に立ち、新らしく出来上つた姉の墓を眺めてゐた、
噴水塔の裏の木梢で、春蝉が鳴いてゐる。
若くして身歿つた人の墓石は美しく磨かれてゐる。
ああ、嘗つて、誰が考へただらう。この知らない土地の青空の下で、小さな一つの魂が安らひを得ると。