Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

みづとりのそよふくかぜにおどろき、

ほと、しづみぬるみづのそこ、

そらのくもこそゆらめける。

あはれ、いりひのかがやかに

みづとりは

かく、うきつしづみつ

こころのごときぬまなれば

さみしきはなもにほふなれ。

やまのうへにふるきぬまあり

そのみづのまぼろし、

ただ、ひとつなるみづとり。

風景

純銀もざいく

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

いちめんのなのはな

かすかなるむぎぶえ

いちめんのなのはな   (後略)

この「風景」は三章二十七行に亙る詩であるが、各章行末にある一行だけが違っている外は、いちめんのなのはなという同じ行列であって、これを初めて読んだ時は遊び過ぎているようで、素直に読んで味わう気がなかった。原稿紙のうえのいたずらがそうさせたのだろうと思っていたが、暮鳥逝いて三十五年後の私の今日の机のうえでは、その菜の花の危険を冒した表現は、いまは美しく野の花が盛りこぼれていて、牧師をしていたことのある山村暮鳥が、この一面菜の花の中を歩いているような気が、するのである。隙間を狙って亡きものにしようとした田舎出の私は、やっと赤鰯の腰の物は他人に呉れて遣り、いっぱし一人前のぴかぴかした刀を差して後ろに坐っているが、人を斬るどころか、人に斬られてもくそくらえという