Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
そして彼自身の『古代研究』を加えて、釈迢空はその生涯のあいだに、博士論文を二度も書き上げた人であった。学問というものが身内に溢れているような人、しかも迢空の学業は何時もお菜を作るような愉しさで、終始されていたように思える。学問というものは私に面倒千万な気にならせていたが、好きでいじくれば詩歌をいじくるのと大して違ったものではない、いや、それは違うというなら学問にカブトを冠せた言い分であろう。学問が愉しくなかったら誰も博士号なぞ、ご苦労にもとる人はいないはずだ。私も博士という人達はえらい人達ばかりだと思っていたが、それだけの学位がとれるような人は、そんな博士号なぞいらないであろうし、くれても、そんなに飛びあがる程嬉しくないのであろうと思った。
折口家では殊に迢空不在中は、よその客からの贈り物は、一さい取ってはならぬ事になっていたらしく、女中さんはそれを厳しく言い渡されていた。
ある年の春、私の家で雛祭の日に赤飯を炊いたので、遠い大井まで娘は歩いて、赤飯をとどけに行ったが、迢空不在で、手剛く断わられて娘はすごすごとまだ温かいお重をかかえて、戻って来た。