Japanische Klassiker mit Furigana
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われにそむく
我に叛く
宮本 百合子
Lesen Sie 我に叛く (われにそむく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.414 Zeichen · 59 Bildschirme
ゆき子は、思わず熱心を面にあらわした。
「私の仕事の出来ないのを、若し、真木の故だとばかり思っていらしったら、大変な間違いよ。勿論、若し、あの人が私の仕事なんかどうでもいい、止めてしまえと思っているんなら、悪いわ。だけれども、そうじゃあないんですもの、あの人だって、随分心配しているんですもの。――また」ゆき子は、涙ぐんだ。「若し、私の仕事なんかどうにでもなれ、と思うような人なら、始めっから結婚なんか、しやしない筈じゃあないの」
「――それは、真木さんは、お前なんかとは比べものにならないよ」
「まあ、どうして?」ゆき子は、愕いて母を見た。
「どうしてって――あの人はお前より、役者が上だよ」
「ごまかしているとおっしゃるの?」
ゆき子は、たとい相手は母ながらも、必死な力が衝上げて来るのを感じた。
「まさか、それほどではあるまいが、少くとも、お前をすっかり、把握しているのさ」
「お互に影響し合うのは、勿論あたりまえのことじゃあないの?」
「お互なら云うことはないさね。けれども、私の目が間違っているかは知れないが、あのひとは、事実お前を支配しているよ。上手にお前だけを反省させておくね」