Japanische Klassiker mit Furigana
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われにそむく
我に叛く
宮本 百合子
Lesen Sie 我に叛く (われにそむく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.414 Zeichen · 59 Bildschirme
その時は、疑もなく、真木が彼女の真意を曲解したという点があったので、ゆき子は和解後も、心の確執を消しかねていた。
丁度、×町に行く約束があったので、連立っては出かけはしても、彼等は何処となくよそよそしい所があるように、各自、離れ離れな会話の中心に入っていた。
ところが、もう帰ろうとする間際になって、母が風呂に入って暖まって行ったらどうかと云い出した。夕飯前父が入ったきり、誰も入りてがないから、綺麗だし熱いだろうというのである。
「私は面倒だから、またこの次にさせて戴くわ。――貴方はどうなさるの?」
ゆき子は、真木に訊いた。
「――さあ、どっちでもいいが……」
「じゃあ入って来給え。ゆき子は三十分でも長くいられる方がいいんだろう」
父が笑いながら勧めた。
「そうしましょう……じゃあ一寸失礼」
ゆき子は、いつものように後に蹤(つ)いても行かなければ、「手拭がお分りになって?」と訊きもしなかった。立って行く真木の後姿をちらりと眺めたきり、また、母と、話の続きをしていた。妹の幼稚園を何処にしたら好いかというようなことに就てであったろう。喋っていると、十分も経たないうちに、不意と入口の扉が開いた。