Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんわ

戦話

岩野 泡鳴

Lesen Sie 戦話 (せんわ) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.520 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

今から思て見ると、よく、まア、あないな勇気が出たことや。後について来ると思たものが足音を絶つ、並んどったものが見えん様になる、前に進むものが倒れてしまう。自分は自分で、楯とするものがない。」

「そこになると、もう、僕等の到底想像出来ないことだ。」

「実際、君、そうや。」

「わたしは何度も聴かされたんで、よく知っとります」と、細君がまた銚子を持って出て来て、僕等のそばに座り込んだ。

「奥さんがその楯になるつもりです、ね?」

「そうやも知れまへん」と笑っている。

友人は真面目だ。

「僕はなんでこないに勇気が出るか知らん思たんが気のゆるみで、急に寂しい様な気がした。僕独りで、――聨絡がなかった。こないな時の寂しさは乃ち恐怖や、おそれや。それに、発砲を禁じられとったんで、ただ土くれや唐黍の焼け残りをたよりに、弾丸を避けながら進んで行たんやが、僕が黍の根を引き起し、それを堤としてからだを横たえた時、まア、安心と思たんが悪かったんであろ、速射砲弾の破裂に何ともかとも云えん恐ろしさを感じた。仲間どもはどうなったか思て、後方を見ると、光弾の光にずらりと黒う見えるんは石か株か、死体か生きとるんか、見分けがつかなんだ。