Japanische Klassiker mit Furigana
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てじな
手品
佐左木 俊郎
Lesen Sie 手品 (てじな) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.934 Zeichen · 8 Bildschirme
そして子供達は全部外へ飛び出したが、兵吉と仁吉と三吉とは、父親と母親との顔を見比べるようにしながら、土間に突っ立っていた。
「阿呆め! 余計な者連れて来やがって、一升餅損したぞ。そら汝等にもやるから、くれてやった餅ばあ、早く行ってもらい返して来い。」
おきんはそう言って、自分の子供達の手にも、二切れずつの餅をのせてやった。しかし、子供達は餅をもらってしまうと、そんな愚痴など聞いてはいなかった。頓狂な声を上げながら戸外に待っている悪垂仲間の方へ飛んで行った。
「これじゃあ、俺も、順しくしちゃいられねえ。吉田様の歳祝いにでも行ってくるべ。」
万は軽い興奮で言った。
「歳祝に行ったって一升餅持って帰れめえし、それより後のチャセゴの来ねえうちに早く寝た方がいい。」
「馬鹿! 一升餅くらいで、一里からの雪路、吉田様まで、誰が行くものか。俺の欲しいの、餅なんかじゃねえ。銀の杯を欲しいのだ。」
「欲しくたって……」
「吉田様じゃあ、歳祝いというと、二千だか三千だか、自慢たらしく銀の杯出しゃがるから、餅の代わりにもらって来てやるべ。」
万は炉端へ行って出掛ける前の煙草を、忙しく吸いながら言うのだった。